色の魔法使い

印刷物の色は、C(シアン)、M (マゼンタ)、Y(イエロー)の3色に補色のK(ブラック)を加えた4色のインキ(プロセスインキと呼ばれる)を重ね刷りすることによって再現されています。

ですが、この4色では再現できない色も存在します。それが「特色」。
「特色」はつくろうと思えば無限につくることができますが、「DIC」や「PANTONE」が出している色見本帳などを見て、どの色を使うか決めることが多いです。
では、使いたいと思ったその色のインキはどうやってつくるのか?それはなんと、職人さんの手作業なんです。

実際に職人さんが調色するさまを見て思ったのが、“魔法みたい!”ということ。
印刷用の「インキ」は「ペンキ」や「絵の具」とは異なり、実際の顔料としての色と、紙にのせたときの色が大きく変化します。なので、相当の経験値がなければ、“紙にのせたときに使いたい色”を再現することは容易にできません。
しかし、職人さんは9色程度の「特色インキ」と「特色インキ」、もしくは「プロセスインキ」を混ぜ合わせて、いとも簡単にわずかな時間で、色をつくってしまいます。本当に見事な手さばきでした。

もしかしたら調色の機械はあるかもしれません。ですが、現場では手作りがほとんど。
こうしたアナログな技術は、10年先、20年先、どうなっていくのだろう。

印刷のこと、紙のこと、製本のこと、アナログなデザインについて、今後もっと深く掘り下げていきたいと思います。

amiko
編集者、デザイナー、宣伝のお仕事などを経験。現在は「デザインライター」として活動中。プログラマーとしてもお仕事をしています。好きなことは、読書、音楽(主にジャズ)、旅行。

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