花便りに想う

チューリップ

「今年もチューリップが咲きました」

実家の母から花便りが届きました。色とりどりの愛らしいチューリップ。
毎年この季節になると、懐かしい記憶がよみがえります。


「チューリップが欲しい」

あれは小学校四・五年生くらいでしょうか。私は学校で配られた、花や野菜の種や苗が載ったチラシを家に持ち帰り、母親にねだりました。モノをあまりねだる子供ではなかったと思うのに、なぜあのときは。
おそらく、当時庭付きの家に引っ越したばかりだったので、実家の庭をお花畑にしたかったのではないかな、と思います。

あれからもうすぐ20年近く。あのときのチューリップたちが、今年もまた微笑んでいます。

でも、花は勝手に咲くわけではありません。両親が球根を大切に育ててくれたおかげで、最初は十数本だったものが、こんなにたくさんの花を咲かせるまでになったのです。

100本のバラの花束だって、お金を払えばすぐに買うことができます。ですが、毎年花を咲かせる、育っていく楽しみは、簡単に手に入れることはできません。

『最近実家のチューリップ、生で見れてないなぁ』

花便りに想うのは、懐かしい思い出と花のある暮らし。

東京の賃貸アパートには、庭も、広いベランダもないけれど、お花畑を夢見る心は変わらない。植物に愛情を注ぐように、日々の暮らしを丁寧に育てていきたいと思いました。

amiko
編集者、デザイナー、宣伝のお仕事などを経験。現在は「デザインライター」として活動中。プログラマーとしてもお仕事をしています。好きなことは、読書、音楽(主にジャズ)、旅行。

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