明神池〜大正池・田代池(上高地2日目)

エゾムラサキ

2日目は、朝の4時30分に起床することから始まった。朝焼けの明神岳を拝むためだ。


宿のテラスへ向かった。しかし、厚い雲に覆われており、見ることはできなかった。天気予報が晴れであっても、山は天気が変わりやすいので仕方がない。

早起きをしたので、「穂高見命(ほかたのみこと)」が祀られる穂高神社奥宮と、その神域にある明神池へ参拝に行くことにした。穂高神社の本宮は安曇野市穂高に、また嶺宮(みねみや)が奥穂高岳の頂上(3190m)に祀られている。
明神野鳥のさえずりを聴きながら、「朝焼けの宿 明神館」から穂高神社奥宮へ続く参道を歩く。早朝は人の気配がなく、昼間よりも一層神秘的で、動植物の生命に包まれている感じがした。

明神池は朝の6時から拝観でき、拝観料が300円かかる。朝一番は、参拝者がほとんどいなかった。
明神池明神池上が一之池(いちのいけ)で下が二之池(にのいけ)。「鏡池」と呼ばれる通りの澄んだ水面で、周りの木々や明神岳を写し出していた。
明神岳空を覆っていた雲がすーっと流れ、青空の中から明神岳が顔を出す。宿や明神橋から見たときよりもさらに神々しく感じた。

宿に戻って朝食をとり、朝の8時に出発した。(「朝焼けの宿 明神館」での食事は、夕食も朝食もとても美味しかった)
上高地帰りは梓川左岸道を通り、さらに下流の大正池・田代池まで行くことにした。森の中や川沿いを歩く。今日も穂高連峰は美しい眺めだった。
穂高連峰1時間40分ほど歩き、田代池に到着。
田代池正面に見えるのは、六百山や霞沢岳といった山々。池ではあるが、池底に枯れた水草などが少しずつ積もったり、大雨で大量の土砂が流れ込んだりした結果、大部分が湿原となっている。
大正池さらに20分程歩くと、大正池にたどり着く。立ち枯れ木がまるでアート作品のよう。正面に見えるのは標高2455mの活火山、焼岳だ。

帰りのバスの時間まで少し時間があるので、日帰り温泉に立ち寄ることにした。
上高地温泉ホテル穂高橋の近くにある「上高地温泉ホテル」では、宿泊者以外の外来入浴(入浴料大人800円)も受け付けている。芥川龍之介やウォルター・ウェストン夫妻も宿泊したことがある、歴史あるホテルだそう。露天風呂や檜風呂もあり、自然の中での温泉を満喫することができた。
ウェストン碑ホテルから2〜3分歩いたところには「ウェストン碑」がある。イギリス人牧師のウォルター・ウェストンは、1888〜95年までの日本滞在中に、槍ヶ岳や穂高の山々を数多く歩き、日本山岳会結成のきっかけを作った人物だ。

そこから河童橋を経由して上高地バスターミナルまで歩き、一泊二日の上高地の旅が終わった。

上高地は、特別名勝および特別天然記念物に指定された山岳景勝地。山岳とはいえ平野なので、山歩きをしていてあまり疲れは感じなかった。私のように体力に自信がなく、『登山には興味があるけれど、アップダウンが激しいのは苦手』という人にとってはベストスポットであろう。
そして何より、早朝の明神岳と明神池を拝むことができたのは、とても良い経験となった。
次に行くときは、朝焼けの明神岳にリベンジしたいと思う。

amiko
編集者、デザイナー、宣伝のお仕事などを経験。現在は「デザインライター」として活動中。プログラマーとしてもお仕事をしています。好きなことは、読書、音楽(主にジャズ)、旅行。

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