「場所」×「時間」の法則

「場所」を突き詰めていくと、そこには必ず「時間」が存在します。
「公園」を例に考えてみると、春夏秋冬、そして、清々しい「朝」、賑わう「昼」、静かな「夜」で、それぞれ違った表情に出会えます。
『遠くへ行きたい』と思ってもそれがすぐに叶わないとき、『身近な場所や好きな場所の、いつも行かない時間帯に行ってみる』のはどうだろう。

「映画館」×「夜」

映画館は暗いので、中はいつも夜みたいなものだけれど、前から気になっていたオールナイト上映に行くことを思い立ちました。
『テーマに合わせて映画館が選んだ作品を、複数本一気に低価格で見られる』のがオールナイトの魅力。深夜に映画は疲れそう、結局眠ってしまいそう、というマイナスイメージもありましたが、テーマに惹かれそのときの気分にマッチしたら、そんなイメージも、きっとなんのその。

「池袋」×「映画館」×「夜」×「冬」

新文芸坐数ある東京の映画館の中で選んだのは、池袋の「新文芸坐」。オールナイト上映を毎週土曜にやっているので、テーマもバラエティ豊富です。
その中で私が選んだのは、「世界の映画作家Vol.195 喜劇≒悲劇、孤高の筆致 ウディ・アレン PART2」(2017年12月9日上映)。ウディ・アレン監督作品が大好きなので、見つけた瞬間、迷わずこれを選びました。
好きな一番の理由は、なんと言ってもハズレのない音楽(ジャズ)!ウディ・アレンセレクトのサウンドトラック集が欲しいくらいです。

私が観たのはPART2で、上映作品は『カフェ・ソサエティ』『誘惑のアフロディーテ』『おいしい生活』『ローマでアモーレ』の4作品。(PART1は『ギター弾きの恋』や『ミッドナイト・イン・パリ』などを上映したようで、好評だったため第2回を行ったそうです)
2000円ちょっとで準新作の『カフェ・ソサエティ』も観られたので、お得感たっぷりでした。

映画が始まると、「場所」は池袋から、ハリウッドやニューヨーク、ローマへ。「時間」が深夜であるからこそ、より一層それぞれのシーンにワープしている気分が高まります。
そして、ウディ・アレン監督作品ならではの、皮肉が詰まった恋愛の結末と、登場人物たちの一筋縄ではない人生を堪能。
すべての物語が終わり、一人映画館の外に出て、まだ薄暗く人気のない早朝の池袋の、冬の冷たい空気が頬に触れたとき、心が動かされて温かくなっているのを感じました。

上映中はほとんど眠らずに観ていました。でも、少しくらい眠ってもいいと思います。
オールナイト上映は、ストーリーを完璧に追うことではなく、『外へ出た瞬間の、あの心の変化を楽しむものなんだな』と。きっと何か、感じるものがあるはずです。

「場所」×「時間」の法則は、他にも様々な場所に存在します。
身近な場所や好きな場所であっても、味わい尽くしていない体験が、たくさん眠っているのです。そう考えると、ますます普通の日常に新しい楽しみを見つけられそう。
『人生って素晴らしい!』

2017年もあと1日で終わり。
たくさんの出会いに、『ありがとう』と感謝。
2018年もいろんな場所へ行き、かけがえのない時間を過ごせますように。

amiko
編集者、デザイナー、宣伝のお仕事などを経験。現在は「デザインライター」として活動中。プログラマーとしてもお仕事をしています。好きなことは、読書、音楽(主にジャズ)、旅行。

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