先日、株式会社ユーリカの「Web開発者のためのUI/UXデザイン基礎講座」という講座に参加してきたので、学んだことについてのレポートをしたいと思います。基本的な内容に絞ってまとめました。
1.「UI/UXデザイン」とは何か
デザインの現場でよく耳にする「UI/UX」という言葉。「UI」とは「User Interface(ユーザーインターフェース)」の略で、“人間と機械とが情報をやりとりするために設けられた部位”を意味します。例えば、ボタンやナビゲーションメニューなど、人間とモノとの目に見える接点のことですね。
一方、「UX」は「User Experience(ユーザーエクスペリエンス)」の略なのですが、「UI」よりも少しイメージしづらいです。意味は、“製品やシステム、サービスの利用、および予想された使い方によってもたらされる人々の知覚と反応のこと”です。
つまり、何らかの製品/サービス/システムを、使ってみようと考え、実際に使ってみて、どうだったか、ということです。「その気持ちに至るまでの過程」と「その気持ちを動機とする行動」は、すべてデザインすることが出来ます。
2.「UXデザイン」を理解するポイント
「UXデザイン」について重要なポイントを整理すると、以下の4つにまとめられることが分かりました。
- UXは使用前・使用中・使用後におこる体験すべてを含む
- UXの良否はユーザーの内心の評価基準で決まる
- UXは製品サービス以外の要因に影響される
- UXはユーザビリティを含む、UXはUIを含む
一つ一つ見ていきましょう。まず1は、そのままの意味です。使用前は「予期的UX」、使用中は「一時的UX」、使用後は「エピソードUX」、そして、繰り返しの使用後は「累積的UX」と言います。
2は、製品/サービス/システムに「いいね!」とグッドボタンを押したくなる気持ちに「客観的な基準はない」ということです。そのため、UXの品質管理には、ユーザーの協力が必要不可欠となります。
3は少し難しいのですが、UXに与える要因として、様々なものが考えられます。例えば、「予期的UX」には、宣伝広告や口コミ、ブランドなどが影響を与えますし、「一時的UX」には、ユーザーの知識や経験、周囲の人物などが影響を与えると言えるでしょう。
そして4は、UXは包括的な概念であり、デザインであるということです。明確な基準のあるユーザビリティ(品質管理)もUXに含まれます。一方、UIは製品やサービスのごく一部ですが、UXに影響を与えます。
3. ユーザビリティの10原則
デンマーク出身のユーザビリティ研究の第一人者であるヤコブ・ニールセンは、以下の10原則を提唱しています。
- システム状態の視認性
- システムと実話世界の調和
- ユーザーコントロールと自由度
- 一貫性と標準化
- エラーの防止
- 記憶しなくとも見ればわかるように
- 柔軟性と効率性
- 美的で最小限のデザイン
- ユーザーによるエラー認識・診断・回復をサポートする
- ヘルプとマニュアル
この10原則は万能ではありませんが、UXデザインに影響を与える重要な要素です。WebサービスやWebシステムの開発においても役に立つでしょう。
講座では「UI/UXデザインの手法」など、実践的な方法論についても学びました。私は「UI/UXデザイン」を仕事にしている訳ではないので、具体的な手法はあまり使いませんが、Web開発に携わる者として、学んでおいて損はないと思いました。