はじめましての風味

桐生

11月に群馬県桐生市を訪れた。乾いた風が強く吹いていて、自転車を漕ぐ身体が何度もぐらつき揺れた。
しかし、時には追い風となって、前進する力を与えてくれた。
群馬県は「上州のからっ風」が有名らしい。あの風はからっ風だったのだろうか。
はじめましての風だった。


2020年締め括りの季節。今年も色々なことがありました。
コロナウィルス感染症拡大の影響もあって、今年はもう新しいことに挑戦することもないのかなぁなどと考えていたのですが、久しぶりの友人との再会などもあり、11月から友人と二人で、新しいリトルプレスのプロジェクトをスタートさせることが出来ました。

その関係で、先月桐生市に1泊2日の取材旅行をしました。取材させていただいた人や場所は後にトルプレスのストーリーとなるので、まだブログには書けませんが、取材以外で訪れて、またぜひ再訪したいと思っているスポットを紹介したいと思います。

古民家カフェ「ごずこん」

ごずこん見た目はこじんまりとした古民家で、伝統的な日本家屋ですが、なんだかとても可愛らしい印象でした。お店のご主人は、空き家バンクでこちらの物件を見つけて、一目惚れされたとおっしゃっていました。そのお気持ちが分かる気がします。

店内はなんと、そのほとんどをセルフリノベーションで改装されたそうです。インテリアのセンスがすごく良くて洗練されていて、入った瞬間に気に入ってしまいました。また、人懐っこくて大人しい看板犬のワンちゃんもお迎えをしてくれました。
ごずこんランチは1種類で、前菜とメインで分けて提供されます。こちらは前菜。お味はもちろんですが、豆皿も楽しめます。
ごずこんメインはお魚(鯖)でした。お肉の日もあるようです。ご夫婦がお二人で営まれているお店で、お料理は主に奥様がされているようでした。どれもとても美味しかったです。

「ごずこん」お店情報
住所:群馬県桐生市境野町2-766-1
Instagram: https://www.instagram.com/gozcon_kiryu/?hl=ja

カフェ「1203」

1203外観がとても個性的で目を引きます。元々裁縫工場だった場所をリノベーションされたそうです。ご家族で営まれているお店で、奥様は桐生のご出身ですが、ご主人は奥様と一緒にカナダから移住されたそうです。

店内はポップで、カナダから持ち込まれた絵画などがたくさん飾られていました。一部をセルフリノベーションされているようで、その手作り感もアットホームで温かい雰囲気を醸し出しているようでした。暖炉があったのも良かったです。
1203自家製のジンジャーエールとクラブハウスサンドをいただきました。ボリュームたっぷりですごく美味しかったです。カナダもまた行きたいなぁと思いました。

「1203」お店情報
住所:群馬県桐生市相生町1-119-5
Instagram: https://www.instagram.com/1203.cafe/?hl=ja

織物参考館・紫(ゆかり)

 織物参考館・紫桐生織物の歴史と文化を体感出来る施設です。開館は昭和56年で、昭和50年代まで桐生織の工場として稼働していた、ノコギリ屋根の建物を利用しています。ノコギリ屋根について、詳しくはこちらのサイト(→ノコギリ屋根織物工場群)にも説明が載っています。
織物参考館・紫ノコギリ屋根は、北側に向いた斜面にガラスの天窓が付いているので、一日を通して均一の明かりを取り入れ、織物の色合いを見るのに適しているそうです。訪れた当日は天気の良い昼間でしたが、直射日光が入らないので光の色を感じず、ひんやりとした空気が流れていました。

桐生織物は「西の西陣、東の桐生」と言われるように、1000年以上の歴史を持っているそうです。また、特徴としては、織った生地を染めるのではなく、染めた糸を織るという先染めの織物で、ジャカード織機で織られます。
織物参考館・紫「ジャカード織」の紋紙(もんがみ)作りにも使用されていたであろう、古いテキスタイルデザインの本もありました。
織物参考館・紫分厚い本に多数のデザインが描かれていて、それぞれに番号が振ってありました。昔はこの中から選んで番号を指定してデザインを決めていたのだろうと推察出来ます。

「織物参考館・紫(ゆかり)」施設情報
住所:群馬県桐生市東4-2-24
HP: http://www.morihide.co.jp/yukariNEW/indexYK.html

リトルプレスの取材以外で訪れたお店や施設として、三つのスポットを紹介させていただきました。元々私は桐生市のことを名前しか知らない状態だったのですが、養蚕や織物などの伝統文化もあり、赤城山などの自然もあり、素敵な個人経営のお店がたくさんあり、とても魅力的な街だと感じました。

在宅勤務や外出自粛が続くと、外に対する興味関心が薄くなり、気持ちが内向きになりがちですが、こんな時代だからこそ、実際に足を運んで見聞きすることによって芽生えるリアルな感覚や感情、そして人との繋がりを大切にしたいと思っています。

2021年、令和三年が素晴らしい一年となりますように。

amiko
編集者、デザイナー、宣伝のお仕事などを経験。現在は「デザインライター」として活動中。プログラマーとしてもお仕事をしています。好きなことは、読書、音楽(主にジャズ)、旅行。

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