下北沢でレコードと過ごす

下北沢でレコードと過ごす

先日、今年(2021年)の9月に下北沢に開業したホテル「MUSTARD HOTEL SHIMOKITAZAWA」に宿泊してきました。こちらのホテルの特徴は、滞在中に部屋でレコードが聴けるところです。

全長1.7km程の小田急線沿線の線路路地「下北線路街」の一画にあるMUSTARD HOTEL SHIMOKITAZAWA」。東北沢駅からは徒歩1分、下北沢駅からは徒歩5分でアクセスできます。

昼間はホテルの一階に宿泊者以外も利用できるカフェがあるので賑わっていますが、夜になると辺りはしんと静まり返り、落ち着いた時間を過ごすことが出来ます。

私はレコードと下北沢ならではの雰囲気が味わえるのを楽しみにしていたのと、滞在中部屋で集中して作業をしたいと思っていたので、昼の賑わいと夜の静けさのコントラストは、願いを叶えてくれるエッセンスでした。

夜、ご飯を食べるために外出したのですが、考え事をしながら周辺を散歩をするのも心地良かったです。冬の夜って寒くて寂しげですが、温かな灯りとレコードの音色が自分の帰りを待っていてくれると思うと、ちっとも悲しい気持ちにならないどころか、前向きなエネルギーが湧いてきました。

ちなみに夕飯は同じく「下北線路街」内の「reload」という裏路地のような雰囲気にデザインされた個店街にある「SANZOU TOKYO」というカレー屋さんでいただきました。立ち食いスタイルが新鮮で、カレーも美味しかったのでおすすめです。

さて、レコードの話をしましょう。写真のように、部屋には広めのデスクの上にアナログプレーヤーが完備されています。プレーヤーに関しては全然詳しくないですが、「ION」というメーカーのものでした。恐らく「Premier LP」という製品です。

レコードが好きな人はもちろん、音楽を聴きながら仕事や勉強、読書などをしたいという人が滞在するのにぴったりの空間だと思います。

レコードはフロントでレンタルすることが出来ます。300枚くらいの多彩なジャンルのレコードが揃っているそうです。一度に借りられるのは3枚まで、そして滞在中は何度でも借りられます。

私はジャズが好きなのですが、自分が割と知っている1950年代くらいのジャズのレコードは、あまりないように見えました。ですが、いつも好んで聴くジャンルではなく、せっかくなら新しい音楽の世界を開拓してみたいと思い、スタッフさんのおすすめを借りてみることにしました。

一泊の滞在中にレンタルした6作品をご紹介します。

Blue Break Beats Vol. 1』リリース:1992年/レーベル:Blue Note
1960〜70年代に録音されたソウル・ジャズのコンピレーションアルバム。ノリが良くて、アルコールレスでも良い気分になれます。「ザ・踊り出したくなるジャズ」です。

華麗なるアクション名画劇場』リリース:不明/レーベル:Fontana Records
古き良き有名な映画音楽が収録されているので、「聴いたことある!」と思えるものがきっとあるはず。私はやっぱり「危険な関係のブルース」が好きです。

CRO-MAGNON / クロマニヨン『CRO-MAGNON CITY
リリース:2019年/レーベル:JAZZY SPORT
下北沢の夜にぴったり、とのことでおすすめしてもらいました。サブスクでも聴けるアルバムですが、アナログレコードに針を落とす行為が特別に感じられます。

上田正樹『Push & Pull』リリース:1978年?/レーベル:Kitty Records?
こちらのLPの情報、ググってもあまり出てこないのです。サブスクにも恐らくありません。すごく良かったので、もう一度じっくり聴いてみたいのですが。

阿川泰子『FINE!リリース:1982年/レーベル:INVITATION
ジャズが好きということをお話ししたら、スタッフさんにおすすめしてもらいました。今回の6作品の中で一番お気に入りの一枚。オシャレでカッコいい大人の女性な気分になれます。

松田優作『HARDEST DAYリリース:1981年/レーベル:VICTOR
名前だけ存じ上げていた松田優作。80年代の邦楽とか芸能人って全然知らない世界だなぁと思わされました。少し新しい扉を開けた気がします。

最後の3枚は全て80年代の日本の音楽。選んでいただいたスタッフさんの年代や好みも反映されていそうです。おすすめを聞かれたら全ての人にこれらのラインアップを紹介されているのか、それともそれぞれの宿泊者に合いそうなものをチョイスされているのかは分かりません。当日働かれているスタッフさんによっても対応は違うと思います。もちろん、自分で好きなものを自由に選ぶことも出来ます。

知らなかった音楽の世界にレコードを通して飛び込むことが出来て、とても貴重な体験でした。初めてのレコードに針を落とすのって、想像以上にワクワクする体験なんだなぁと思いました。たまにプツッと音が途切れたりするのもアナログならではの音色で面白かったです。私もいつか自分の部屋にプレーヤーを置いて、レコードと共に暮らす時間を楽しんでみたいです。

amiko
編集者、デザイナー、宣伝のお仕事などを経験。現在は「デザインライター」として活動中。プログラマーとしてもお仕事をしています。好きなことは、読書、音楽(主にジャズ)、旅行。

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