自分の知らない故郷の世界を知りたいという思いから、長野県産の美味しいものを見つけて、買って、食べるということを定期的に行っています。そして最近は、「トレーサビリティ」についても考えるようになりました。
1. 「トレーサビリティ」って何だろう?
「トレーサビリティ」はビジネスの世界で使われる専門的な用語ですが、あまり難しく考えず、日常生活でも使える言葉に置き換えてみたいと思います。まず、ネットで調べると下記のように説明されています。
トレーサビリティ(Traceability)とは「Trace(追跡)」と「Ability(可能)」という意味の2つの単語から成る言葉で、製品が「いつ、どこで、どのように、誰によって、何で」作られたのかという部分を見える化し、原材料の調達から生産、そして消費または廃棄まで追跡可能な状態にすることである。
https://ideasforgood.jp/glossary/traceability/
つまり、生活者の視点で考えると、“自分の使うものや食べるものの正体が分かること”なのではないかと思います。追跡した結果、“正体が分からない”、または、“正体が良くないないものだった”、という状態はあまり好ましくないですよね。
具体例を挙げると、“正体が分からない”とは、原材料の産地や生産者が分からなかった、であり、“正体が良くないないものだった”とは、違法な低賃金の労働によって作られた原材料が使われていた、などです。
私たちは日々の生活で、たくさんのものを使っています。家、家具、家電、電子機器、洋服、本、文房具、生活必需品、そして、目に見えない電気やインターネットなど。それらを全て追跡し、理解し、改めることは、不可能に近いです。
ですが、日々の暮らしの中で、トレーサビリティを意識することは大切なことですし、自分の出来る範囲で改善していきたいと思っています。中でも、生きる上で最も重要な「食」の部分は、考えることが多いです。以下に、「トレーサビリティと食のデザイン」について考えるきっかけとなった、長野県産の商品についてのお話をしたいと思います。
2. 長野県産トマトケチャップとの出会い
トマトケチャップのトレーサビリティに興味を持ったのは、一昨年、食品メーカーのカゴメが、ケチャップなどの原材料となるトマトを、新疆ウイグル自治区から輸入していると知ってからでした。当時は会社のホームページにもそのことが明記されていました。
しかし、カゴメは昨年の4月に、人権弾圧をめぐる国際的な批判を考慮して、2021年中に同自治区からのトマトの輸入を停止することを発表しました。(→カゴメ、新疆産トマト使用停止 人権問題考慮)中国の人権弾圧については、以前ブログにも少し書きましたが、重大かつ深刻な現在進行形の問題です。(→Testimony of Uighurs)
カゴメの決定は企業として素晴らしいと思いますが、他にもトレーサビリティを大切にする日本の企業があるのではないかと思い調べました。その時に見つけたのが、長野県松本市にあるナガノトマトという会社です。同社の商品に、長野県産のトマトを使用したケチャップがあることを知り、購入して食べてみました。(→長野県産ケチャップ)
スーパーで売っている一般的なケチャップより高価ですが、美味しさと原材料への安心感には、大きな価値があると思いました。こういった商品が今後も生産され、流通されることを願っています。
3. 「食べる宝石」と呼ばれるほおずき
もう一つ、「長野県産の食品」と「トレーサビリティと食のデザイン」について考えていた時に出会った、ほおずきジュースをご紹介したいと思います。まず、そもそもほおずきって食べられるんだ!というのが、自分にとっては大きな発見でした。調べてみると、ほおずきには観賞用と食用の品種があるそうですね。
私が購入したのは、長野県佐久市の「百笑農房」が生産されている商品です。(→ほおずき100%ドリンク)「百笑農房」は、農薬は使わず有機肥料を使ったり、毎年畑の土壌検査して土壌内の微生物を増やす工夫を行なったりするなど、手間暇かけた農業をされているそうです。
また、栽培されているほおずきに関しては、下記のように説明されていました。
百笑農房のほおずきは大粒でアロマのような香りや、オレンジ色でサクランボのようなかわいさ、濃厚でガツンとインパクトのある酸味と、そこはかとない優しい甘味、大人の苦味が絶妙に絡みあい、口いっぱい広がる食味が特徴で、まさに「食べる宝石」です。
確かに、写真で見ると宝石のような美しい見た目です。そして、食べた感想も説明の通りで、今まで食べたことのないフルーツの味わいがしました。個人的には、炭酸水で割って飲むのが美味しかったです。
今回「トレーサビリティ」というものに興味を持って、いつも食べている食品の原材料について、より深く考えることが出来ました。また、「長野県産の美味しいもの」を新たに発見することが出来たことも収穫となりました。今後も「食のデザイン」について、考えていきたいと思います。
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